「経済のグローバル化と知識経済化の流れにおいて、企業組織はどのように進化するのか」という命題に対し、INSEADのドーズ教授が提唱している「メタナショナル」の概念が注目を浴び始めている。(参考文献:浅川2006)
メタナショナルとは、「From Global to Metanational (Doz.Y,J.Santos,andP.Williamson 2001)」において提唱された理論である。知識経済化の進んだ今日においては、重要なナレッジ・ケイパビリティは世界各地に点在し、また、当該クラスターの優位性を維持できる期間も短くなりつつある。このような状況において、世界各地のナレッジ・ケイパビリティをオーケストラのように融合し、持続的知識優位を確立している企業が存在する。このような企業をメタナショナル企業と呼び、IBM,ST Microelectronics,Nestle,資生堂が該当する。
このようなメタナショナル企業への進化は、一足飛びにできるものではない。
まずは、グローバル企業組織論について解説すると共に、メタナショナル概念まで進化した経緯を説明したい。
1989年にバートレット&ゴシャールが国際企業組織の分類として、下記4分類を提唱した。
レベル1 International:国際企業の第一段階である。海外事業部等を作り、海外進出を図るレベル。
レベル2 Global:マクドナルドのように、全世界均一に本国でコントロールする経営
Multi-National(Multi-Domestic):各国の地域事情にあわせて、柔軟に各国で経営する方式
レベル3 Trans−National:グローバルな求心力を持ちながらも、各国が互いに連携し、柔軟性を併せ持つ方式。
これに対し、イブ・ドーズは、2001年に上記、「メタナショナル」の概念を提唱した。(いうなれば、レベル4に該当する。)
トランスナショナルとの違いは、トランスナショナルでは、知の融合が少ないのに対し、メタナショナルは、知の融合を含めた自律的オーケストレーション経営である。
このレベルまで企業組織を高めることができる企業は少ないであろうが、エクセレントカンパニーは、真のグローバル企業へ脱皮する為にも、目指すべき方向であるのは間違いないであろう。
日本企業も持続的競争優位構築のために、「メタナショナル経営」に耐えうる組織・ケイパビリティの育成し、世界中の知を結集できる経営へ舵を切る必要があるのではないだろうか。
テーマ:経営 - ジャンル:政治・経済
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